絵描き寿命(いつまで絵描きとして活躍できるか)

絵描きとして食べていくにはどうしたらいいか20年以上考えていて、その現場にいて出会った様々な作家さんのストーリーを見てきて思うことをまとめました。どの職業もそうですが、絵描きという職業も時代に大きく左右されるので、これは2022年の雰囲気になります。

下の図に上げた職業はとてもざっくりとしているもので、もっと細分化できるだろうし、いくつかの分野を跨がって活動をしている方もいるので、全く一概には言えませんが。わかりやすさを重視してこのようなグラフにまとめました。イラストレーターをAとBに分けたのは作画の単価が大きく違うからです。広告に関しては数百万円に達することがありますし、挿絵に関しては一万円を下回ることがあるとききます。これだけ単価が違うともはや違う職業と言ってもいいかと思います。

どのジャンルを目指してもきっと安定は無いでしょう。ただ、これは少し安定しているのでは?と思うのは[イラストレーターB]からの[グラフィック画家]への転向です。広告の仕事というのは派手な仕事で知名度も一気に上がる一方で廃れるのも早いです。およそ5年くらい安定して食べていけますし結構儲かります。そして廃れる頃にその知名度を生かしてグラフィック画家に転向するのが近年うまくいっている例として顕著と感じます。

それでも正直、絵だけで食べていくのはかなり難しいです。そんな人果たして今まで存在したか?と思うくらい難しいです。意外と長く活動をされているなと思う方は実は別の稼ぎ口があったりします。(「食べていく」というのは人それぞれ基準が違いますが、ここで言っているのは平均的な生き方です。ダブルインカムで子供が二人いてもち家がある状態を言っています。2022年の普通の職業の普通の生き方...かな?普通って何?)

[絵を描く]×αを持っている人は強いです。ストーリーを考えるのが得意なら漫画家になって IPを目指せるし、人に教えるのが得意なら大学の先生になれる。好奇心が強かったり言語能力に長けていたら人口の多いアメリカや中国を目指したらいい。アニメーションや3 DCGを組み合わせてもいいのかもしれません。ただこの二つとの掛け合わせはまだ大きく儲かっていて安定しているイメージはあまりありません。NFTができてきたので今後に期待かもです。しかし絵描き×アニメーション×Youtuberといったトリプルであれば凄く強いです。

業界という分類で横断するという考え方もありと思います。アートやりながらゲームのキャラをデザインしたり、広告やりながらポケカ のイラストを描いたり。漫画やりながら広告やったり。やってることは上記で述べた[絵を描く]×αと変わりませんが、業界という分け方は目指し方がわかりやすいかもしれません。儲かってる業界ってその時代、時代であると思うので。

結論を言えば、唯一無二の絵描きになることです。絵柄が唯一無二という話ではありません(そんなの当たり前なので)。職業として誰もやってこなかったことを成し遂げたものの勝ちということです。つまりは上のグラフのような職業にズバリハマっていたら長くは続けてられないということです。とにかく思い当たる自分の長所を全てフルに使い、頭をフル回転させてこの絵描きという職業に臨むべきなのです。若ければ顔出しして作家本人の魅力で勝負してもいいし、脱サラして30歳から目指すならそれまでのコネクションを活かしたらいい。親族がお金持ちならラッキーだし、パトロンだってありなんじゃないかと思う。頼れるものに頼れるだけたより後は起業家の精神に近しいものが必要なのだと思います。

絵だけで食べていく!良い絵さえ描いていればなんとかなる!みたいな美しい根性論は身を滅ぼすかもしれません。先入観や固定概念を捨て、時には絵描きとしてこだわってきた部分すら捨てないといけないかもしれません。その覚悟がないなら別の職業で収入を得て絵は趣味または副業にしておくのが良いです。


※この文章は2022/9/8に突然思いついた個人的な意見です。9/15日に多少修正しました。

※僕がなぜ広範囲に渡りそれぞれ細分化された職業のことを知っているかと言えば、現代アート以外の仕事をしたことがあるからです。絵師に関してはゲームのキャラクターデザインをしたことがありますし、ソーシャルゲームの会社でイラストの発注側にいたこともあります。ただ絵師さんの中に例外的に大儲けしている方も知っています。

ちなみに現代アートは大学生の時から好きで様々本を読んだり評論家の人とお話をさせていただいたりしておりますが実際はそのざっくりとした平均収入はわかってません、申し訳ないですがイメージでグラフにしました。